ベンチャー経営者交流会

先日ベンチャーの経営者交流会に参加してきました。
そこで話にあがったのが下記の一句

 春は花
 夏ほととぎす
 秋は月
 冬雪さえて、冷かりけり

お話の中では「金儲けが人生のすべてではない」といった意味合いでお話をされていましたが、芸術家のはしくれとしましては、この句にはとてもとても考えさせられます。
この句には、美術においての西洋文化東洋文化の大きな差異も含まれているのではないでしょうか。

  • まず西洋美術においては、必ず中心に人物が描かれ、周りの環境に対して働きかけています。
  • 対する東洋美術においては、壮大な風景の中に人が描かれ、自然の一部として表現されます。

これは西洋の文化が自から他に対し力を加える文化だということに対し、東洋文化は自分を大きな流れの中の一部と置き、考える文化だという一つの現れでもあります。

  • 例えば西洋医学は鎮痛剤や抗生物質等で痛みを直接的に和らげ、病気を抑えます。
  • 対する東洋医学は漢方等により新陳代謝の向上を図り、病気に打ち勝つ体を作ります。

このように、全の中に一を置き、一が全を作りあげるという思想を持つ東洋の文化にとって、上の句は、企業家であり経営者である以前に、自然の中に身を置く一人の人間であるという意味も含まれるのでしょう。